畳のある家は、人が集まる家になる#column

—夕暮れどき、リビングの横の和室でくつろぐ家族。心がほっとするその空間が、いままた注目されています。

この記事を読めば分かること

  • 和室とはどんな部屋なのか、基本からやさしく解説
  • 現代の生活に合う和室の活用アイデア
  • 和室のメリット・デメリットを具体例と一緒に紹介
  • 注文住宅で和室を作るときのポイント

はじめに

「和室って、おじいちゃんの家にあるやつでしょ?」
そう思っているあなたにこそ、知ってほしいのが、今どきの和室です。

ある休日の午後。リビングとつながる畳のスペースで、小さな子どもがブロックを広げて遊んでいる。お母さんはその隣で洗濯物を畳み、お父さんは壁にもたれて読書中。おじいちゃんは窓辺で昼寝をしていて、家中におだやかな空気が流れている。

この“なんてことない時間”が、とても心地いい。
それを作ってくれるのが、畳のある空間=和室なのです。

この記事では、和室がどんなふうに現代の家にマッチするのか、具体的なシーンや使い方とともにお届けします。

A living room with a couch and a coffee table

和室ってなに?畳があるだけで「空気」が変わる空間

和室とは、畳が敷いてある日本の伝統的な部屋のことです。でも、昔の家によくあった「ふすまで仕切った重たい和室」とはちがい、今の和室は、もっと軽やかで自由です。

・リビングの横に3畳ほどの小さな畳スペース
・段差のある“ちょい上がり”の和コーナー
・ふすまのかわりにロールスクリーンを使ったオープンな和空間

など、いろんなかたちがあります。

畳があるだけで、空間の空気がふわっとやさしくなります。これが、和室の一番の魅力なのです。

和室のいいところ|“使える”和室は毎日の暮らしを変える

畳はやさしい。だから、子どもも大人も安心

畳はフローリングよりもやわらかいから、転んでもケガしにくく、赤ちゃんや小さい子がいる家庭にもぴったり。おむつ替え、昼寝、おもちゃ遊び……畳の上ならなんでも安心してできます。

大人だって、畳の上に寝転がるとついウトウトしてしまうほど。い草の香りにもリラックス効果があるので、疲れたときほど和室でゴロンがおすすめです。

客間だけじゃない!使い方いろいろ

「和室=来客用の部屋」というイメージがあるかもしれませんが、実はもっと使える場面がたくさんあります。

  • 子どもの遊びスペース
  • 家事の合間のくつろぎコーナー
  • 仕事や読書に集中したいときの作業部屋
  • 家族の昼寝場所
  • 趣味のヨガやストレッチスペース

などなど。まさに“暮らしに寄り添う万能スペース”です。

畳のある空間は、なぜか人が集まる

畳の上に座ってお茶を飲んだり、おやつを囲んだりすると、家族の距離が自然と近くなります。

ソファに座ってテレビを見るだけのリビングでは起きない、小さな会話やふとした笑いが生まれる。それが、畳のある空間の力です。

和室の困ったところとその解決法

畳はデリケート。でも工夫でラクになる

畳は水に弱く、重たい家具を置くとへこんでしまうなど、ちょっと扱いづらい部分もあります。でも最近では「和紙畳」「樹脂畳」といった、強くて汚れにくい素材が登場しています。

掃除も、ふだんは掃除機を軽くかけるだけ。畳専用のクリーナーもあるので、手入れの手間は想像よりずっと少ないですよ。

スペースが心配?なら“小さく始める”でOK

「和室を作りたいけど、家が狭くなるかも…」という心配があるなら、リビングの一角に“たった2〜3畳”の畳スペースをつくるところから始めてみましょう。

床に少し高さをつけて“段差”をつけると、座りやすく、見た目もスッキリ。さらにその下を収納にすれば、空間をムダなく使えて便利です。

どんな家族に和室はおすすめ?

以下のようなあなたには、和室がとても役に立ちます。

  • 赤ちゃんがいる家庭(おむつ替え、昼寝、遊び場)
  • 子どもが元気に動き回る時期(転んでも安心)
  • 2世帯で住む家族(おじいちゃん・おばあちゃんの寝室に)
  • 在宅ワークで静かな空間がほしい人(集中力アップ)
  • 忙しい日々に“ホッと落ち着ける場所”がほしい人

おしゃれに和室を取り入れるには?

ポイント1:段差のある“こあがり”で空間に変化を

段差をつけると、そこに腰かけて本を読んだり、子どもと一緒に遊んだりしやすくなります。段差の下は引き出しにして、収納スペースとしても使えます。

ポイント2:照明や壁紙で“今どき”に

照明を間接照明にしたり、壁にグレーや白のクロスを貼るだけで、一気にモダンな雰囲気に。和室=昭和っぽいというイメージは、もう古いんです。

ポイント3:間仕切りで“変化する空間”に

ロールスクリーンや引き戸をつければ、開けておけばリビングと一体に、閉めれば個室に早変わり。ライフスタイルに合わせて使い分けられるのも魅力です。

まとめ:和室は、現代の暮らしをもっと心地よくしてくれる空間

「和室って必要?」と迷っているあなたへ。
たった数畳の畳スペースがあるだけで、家の使い方が大きく変わります。家族が自然と集まり、思わぬ会話が生まれる。疲れたときに、そっと自分を休ませてくれる場所にもなる。

和室は、“今”の家づくりにこそ必要な、温もりある空間なのです。