家づくりの最初の一歩は「お金」の見える化から。住宅資金計画の立て方をわかりやすく解説 #column
夢のマイホーム。間取りやデザインを考えるのはワクワクしますが、最初にぶつかる大きな壁が「お金」のことではないでしょうか?
「いくら必要?」「自己資金はいくら用意すれば?」「ローンってどう組めばいいの?」——そんな疑問や不安を解消するために欠かせないのが、資金計画です。
今回は、住宅建築にかかる費用の全体像から、住宅ローンの基本、活用できる優遇制度まで、初心者にもわかりやすく整理してお届けします。家づくりの第一歩として、ぜひ参考にしてください。
この記事を読めばわかること
- 注文住宅の建築にかかる費用の内訳
- 自己資金と住宅ローンの考え方
- 金利タイプや借入額の決め方など、ローンの基本知識
- 国や自治体の優遇制度や補助金の情報
- 資金計画を立てるうえでのポイントや注意点
1. 注文住宅にかかる費用の全体像
まずは、「家を建てるにはどんなお金が必要なのか?」を知っておきましょう。以下のように大きく4つに分類されます。
① 本体工事費
家そのものの建築にかかる費用。工務店やハウスメーカーとの契約金額にあたります。
- 建物の構造、間取り、設備グレードによって変動
- 坪単価で比較されることが多い
② 付帯工事費
外構(庭・駐車場など)、地盤改良、上下水道引込工事など、本体以外の建築関連費用です。
- 見落としやすいが意外と高額
- トータルで数十万円〜数百万円の差が出ることも
③ 諸費用
税金や各種手数料、火災保険、登記費用など、家を取得するための手続きに必要な費用。
- 住宅ローンを利用する場合は、保証料や事務手数料も含む
- 一般的に総費用の5〜10%が目安
④ 家具・家電・引っ越し代など
見積もりに含まれない「暮らし始めるためのお金」も忘れずに!
- カーテン、エアコン、照明などの設備
- 新調する家具や家電、引っ越し代など
2. 自己資金はいくら必要?
資金計画では、まず「どれだけ自己資金を準備するか」が重要なカギとなります。
自己資金の目安は?
一般的には、総予算の20〜30%程度が理想とされています。とはいえ、貯金が十分でない場合でも、頭金ゼロで家を建てるケースもあります。
自己資金の種類と注意点
- 貯金や退職金など、すぐに使える現金
- 両親などからの贈与(非課税制度を利用すれば税負担を抑えられる)
- 教育資金や老後資金と混同しないよう注意
ライフプラン全体を見据えて、無理のない範囲で準備しましょう。

3. 住宅ローンの基本を押さえる
自己資金だけでは足りない分を補うのが、住宅ローンです。以下のポイントを押さえておくと選びやすくなります。
借入額の決め方
「借りられる金額」ではなく「返せる金額」で考えることが大切です。
- 毎月の返済額が手取りの25〜30%以内が目安
- 教育費・老後資金など、将来の支出も考慮
金利タイプの違い
金利タイプ | 特徴 |
固定金利 | 金利が一定で返済計画が立てやすい |
変動金利 | 市場金利に連動し、初期は低金利で借りられる |
固定期間選択型 | 一定期間は固定、その後は変動または再選択 |
それぞれにメリット・デメリットがあるため、将来の収入やライフスタイルと照らし合わせて選びましょう。
返済期間・ボーナス払い
返済期間を長くすれば月々の負担は減りますが、総返済額は増える傾向にあります。ボーナス併用は収入が安定している方向き。
4. 活用したい税制優遇制度・補助金
住宅購入には、国や自治体の支援制度が数多く用意されています。活用することで負担を大きく減らすことも可能です。
住宅ローン控除
- 年末時点のローン残高に応じて、一定期間所得税から控除される制度
- 控除期間や上限額は年度によって異なるので要確認
すまい給付金
- 消費税率引き上げに伴う負担軽減策(※今後の継続状況は要確認)
- 所得制限があり、現金での給付が受けられる
贈与税の非課税枠(住宅取得資金の贈与)
- 両親や祖父母からの資金援助を受ける場合、一定額まで贈与税がかからない制度
地方自治体の補助金
- 子育て世帯や若者世帯向けに、土地取得・定住促進などの名目で助成金を出している自治体も
- 移住支援やZEH補助金との併用も検討価値あり
5. 資金計画で後悔しないためのポイント
- 住宅会社に言われるがままではなく、自分でも相場を調べておく
- 「建てた後」の暮らしも含めてトータルで予算を組む
- 家づくりに必要な費用を「一覧化」して、見落としを防ぐ
- 万が一の出費にも備えて、予備費(10〜15%程度)を計上する
住宅は一生に一度の大きな買い物。だからこそ「なんとなく」で決めず、しっかりと情報を集め、自分の目で納得して進めることが大切です。
まとめ
住宅資金計画は、家づくりの成功を左右する最初のステップ。
「建てること」だけでなく、「住み続けること」を見据えた資金計画を立てることで、安心して家づくりを進めることができます。
必要な費用の全体像をつかみ、自分たちの暮らしに合ったローンや優遇制度を上手に活用する。これこそが、後悔しない家づくりの鍵になるのです。